金魚のキンちゃん

ある日のこと。
ダーリンと私はパサール・ブルンに金魚を買いに行った。
「水槽の中に、魚が2ぴきしかいなくなったから、新しい友達を買おうよ」
「そうだね、今度は金魚がかわいいよねー。」

「どう、あの大きくて赤いのと、こっちの ちょっと小さな白っぽいの」
「いいね。かわいいね。」

買ってきた金魚 は、さっそく水槽に放した。
泳ぎまわるのを、嬉しそうに眺めていたダーリン。

「そうだ、この金魚に名前をつけようよ!なにがいいかなー。」
「 うーん、当たり前だけど、大きいほうがキンちゃんで、小さな方はチビちゃんは、どう?」
「いいねー、キンちゃん チビちゃん!仲好しだねー」

この日は、朗らかな陽気で、ことのほか金魚を気に入ったダーリンは、キンちゃん&チビちゃんと幸せな午後をすごしたのだった。

ところが・・・。

翌日、水槽を覗いてみると、
なんとキンちゃんがお腹を仰向けて死んでいるではないか!

「あー!!キンちゃんが死んでるぅ!」
それを聞きつけたダーリン。水槽に近づくと、おもむろに水槽に手を突っ込み、キンちゃんをわしづかみにした。
「ど、どうするの?」
と、聞く暇もなく、ダーリンはつかんだキンちゃんをポーンと中庭に放り投げて捨ててしまった。

キンちゃんに群がるニワトリ達。
あっという間にキンちゃんはニワトリのお腹の中に消えてしまった。
「!!!!」
昨日までキンちゃんて、あんなにかわいがっていたのに・・・、
ちゃんと土を掘ってお墓でも作るのかと思っていたのに・・・・、
私は唖然としてしまった。

でも、こちらの人にしてみれば死んでしまったモノは、もはやなんの価値もなくて、ましてそれは、ただの金魚の死体なのだから、なんで大切にしなければならないのかは、まったくわからないのだった。

これがいわゆる価値観の違いってヤツか?
それにしても、金魚にヒロミちゃんと付けなくて良かった。 と、ほっとする私であった。

 


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